すみやきの小説置場

小説を書き始めた18歳から三十路の今に至るまでのすみやきの小説置場

思い出せない危険な任務。

「即興小説トレーニング」にて執筆。
http://sokkyo-shosetsu.com/
お題:記憶の衝撃 制限時間:15分
 記憶喪失というものは本当にあるらしい。

 現に今、俺がそうだから。ふと、眠りから覚めると自分が何者なにかがわからなくなっているのだ。

 とりあえず、ここが日本で今が冬だと言うことは理解できた。

 だけど、自分がいったい普段何をしているかということが一切わからない。 

 いや、一切わからない……というよりも「わかりたくない」というのが本音だ。

 なぜかというと、寝ている部屋で巨大な刃物を見つけてしまったのだ。

 どうやら自分は事務員やら接客業やらそんな大人しい仕事をしているのではないらしい。

 しかも、この大きさから言って趣味で刃物を持っているってレベルでもないらしい。

(……まあ、趣味で刃物を持ってる、ってやつもそんなに褒められたもんじゃないが)

 外を見ているとあたりは暗くなるのと同時に、真っ白な雪がこんこんと降り続けている。

 その時だった。携帯のアラームが鳴ったのは――。

 どうやら、こんな遅くに活動する仕事らしい。ますます普通な仕事じゃないことが予想される。


 一台のバンが家の前に止まる。どうやら仲間なのだろう。

 自分が記憶喪失なんてことはばらさないほうが無難だろう。

 やってきた仲間であろう男性となんとか無難に会話を追えた後、男の車に乗って俺はでかけた。

 刃物も一緒にだ――。

 どんな危険な任務が――、そう思った時、男が衣装らしきものを俺に渡してきた。

 そして――大きな仮面。

 その時、俺は全てを思い出した。



「はい、今日の特集は秋田県からお送りしています。今年もあの伝統行事の季節がやってまいりました」

「悪い子はいねええがああああああああああああ!!!」