すみやきの小説置場

小説を書き始めた18歳から三十路の今に至るまでのすみやきの小説置場

モデルはあの眼鏡の人……。

「即興小説トレーニング」にて執筆。http://sokkyo-shosetsu.com/
お題:不屈の恋 制限時間:15分
 私は今日も、一人机に向かう。

 机に向かうと言っても別に勉強するわけではない。私が書いてるのは漫画だ。

 本当は漫画なんて書いてる場合じゃないのかもしれない。

 勉強しなければならないし……自分の家の手伝いをしなけらばならない。
 だけど、毎日こうやって一枚の紙に向かっていないと私は変になってしまう。

 頭の中に溢れて、こぼれそうな妄想を漫画としてまとめるないことには私は変になってしまうのだ。


 私がいつも書くのは恋愛の話。

 漫画は本当にいい。なぜなら、漫画の中だけならどんな恋も実らせることができるから。

 現実だとこうはいかない。

 私みたいな可愛くない女の子の場合は特に……。


 この恋は実らないってことは知ってる。

 別にフラレたわけじゃない。けど、なんとなくわかるのだ。

 もしも、タイムマシンがあったらなあ……と思う。

 タイムマシンで未来に行って私とあの人が結ばれてないことを確認してきたい。

 そうすれば、こんなに苦しむことはないのに。

 ……けど、そんなことしたら漫画を書くこともなくなっちゃうか……なんてことを思って一人で笑う。


 そんなこんなでこつこつ書きためた漫画ができあがり、私は出版社の賞に送ることにする。

 コンビニでコピーするため、私は一人家を出た。

 その時だった。

 風で原稿が飛んでしまった。

 私が必死に原稿を追うと、紙が一人の男の人の前に落ちる。

「……あ、ごめんなさい」

 私が言うとその人はにっこり笑った。

「ううん。よかったね汚れてなくって」

 私は言えなかった、あなたがこの漫画の恋人のモデルだなんて……。

「あ、……ありがとうのび太さん」

 私はクリスチーヌ剛田のペンネームを指で隠した。