すみやきの小説置場

小説を書き始めた18歳から三十路の今に至るまでのすみやきの小説置場

風邪は計画的に。

「即興小説トレーニング」にて執筆。http://sokkyo-shosetsu.com/
お題:刹那の風邪 制限時間:15分

「ついに完成した!」

 鈴木が僕の部屋に入ってきた。鈴木は僕の同級生でクラスの中ではバツグンに勉強ができた。

「やったよ! 君の言ってた一瞬だけ風邪がひける薬……やっとできたんだ
 君は言ってたよな。病院に行くときだけ風邪を引けて、すぐに治るような仕組みの薬があったら……って、そうしたら、学校サボり放題だって……それがついにできたんだよ!」

「おお、やったな!」

「いやあ、長い間、努力したかいがあったよ……。その発明の第一号の利用者に君を選んだんだ! さあ、使ってくれたまえ」

「うーん」

「どうしたんだ! さあ、はやく!」

「いや、あのさー。おれら、今年でもう43歳じゃん……あと俺、生徒から教える側になってるから……その教師として……その薬の使用は認められないっていうか……その……」

「ははは、そう……だよな。ちょっと時間がかかりすぎた……かもな」

 そう言って彼は走り出した。

「おい、鈴木! どこ行くんだよ!」

 そうしたら、彼は満面の笑みを浮かべて、親指を突き上げた。

ハローワークだ!」