すみやきの小説置場

小説を書き始めた18歳から三十路の今に至るまでのすみやきの小説置場

開け!

「即興小説トレーニング」にて執筆。http://sokkyo-shosetsu.com/
お題:見憶えのある抜け毛 制限時間:15分
 暇だった……とにかく、暇だった。

 そりゃそうだ。仕事も見つけず、ただひたすら自分の部屋にこもっているのだ。

 この状況のやつが忙しいわけがない。

 暇はあるけど、仕事をしていない俺には遊ぶ金もなかった。

 いや、遊ぶ金どころじゃない。食う金もなかった。

 だから、腹が減らないようにこうやってひらすらよこになっているのだが、それもそろそろ限界。

 部屋全体がゆがんで見えてきたさすがに何か食べないと生死に関わる。

 そこで俺は手当たりしだい、床をさぐってみる。小銭の一、二枚落ちていると思ったのだ。

 ところが、俺の手にあったのは。見覚えのある抜け毛――くせのある赤毛だった。

 こんな一人暮らしの部屋に女の髪の毛なんて落ちているわけがない。

 もちろん俺の毛だ。

 くせっ毛はいっぱいいるだろうけど、赤毛なんて俺ぐらいしかいない。

 結局小銭はあきらめた。

 そこで俺は暇つぶしに自分の赤毛をひたすら集めることにした。

 以外と集まるものでたくさんの量の赤毛が俺の前にまとまっている。

 けど、この赤毛は何の役にもたたない。

 ためしに体に貼り付けてみた。

 暖かい……。こんな寒い部屋の中でぬくもりを感じるとは思わなかった。

 俺は必死になって赤毛を探した。そして、ひたすら自分の体に貼っていった――。


「……その結果が今の君なの?」

「ちびっこ達には絶対内緒ですぞー! ガチャピン!」